ニートワークエンジニア

浪人、留年、休学、中退、ニート、エンジニア。回り道人生を謳歌中

辞めた会社がその後2ヶ月で上場した

今年の7月、5年勤めた会社を退職した。厳密には有給が溜まっていたので完全に離職したのは9月上旬になる。

それから2ヶ月、在職中は僕も含めて社員一同(?)で目指していた新興市場への上場がついに決まったらしい。嬉しい反面、少し複雑な気持ちも残るので文章に残そうと思った次第。

上場の準備を進めていることはもちろん社内では公にされていたし、事業部の数字的にも今回こそはいけそうな気がしていた(コロナで何度か延期になった)。なので知人からこの知らせを聞いたときは寝耳に水というほどでもなかった。

それにしても、我ながら絶妙なタイミングで辞めたなあと思う。

ベンチャー企業なので離職率はそれなりに高く、それ故これまで同僚たちを散々見送ってきたし、思い返せば自分が退場する機会だって何度もあった。特に直近1年間はほとんど仕事をしておらず、かと言って外に飛び出す勇気も無くズルズルと惰性で働いていた。引き伸ばして引き伸ばして、そしてこの上場直前に離脱、というのがとても自分らしいなと思う。

普通の社会人なら常識かもしれないけど、上場すると株主の情報が完全にオープンになるらしい。知人がシェアしてくれた『新規上場申請のための有価証券報告書』とかいうヤバいレポートには、社員の中で誰がどれだけ株(ストックオプション)を持っているか詳細に書かれていた。

「なるほど、アイツはあれだけ貰っているから今も会社にしがみついているのか...」

「いやいやあの先輩たったこれだけって、マジで都合よく使われてるなあ...」

覗き見してしまった現社員のランキング表に対し、ついつい下世話な勘ぐりを入れてしまうのは僕だけでは無いはず。今頃社内はどんな雰囲気になっているのだろうか。やっぱり絶妙なタイミングで辞めたなと思う。

卒業生含めて会社の関係者には言いにくいのでここに書くけど、どうやら僕はそこそこストックオプションを貰っていたらしい。

上場するまで、一般社員は会社全体で何株分が発行されているか知らないし、もちろん自分から公言しない限り他人の持ち株数もわからない。

なので創業メンバーと役員を除けばみんな五十歩百歩だろうと思っていたけど、例のランキング表によると、半数以上の社員は僕の10%しかストックオプションを持っていないようだ(僕のSOはどこにいったんだろう...)。

報告書には株主全員の名前が載っているわけではなく上位の人間だけで、もし僕が今も在籍していたら、年齢及び社歴的に先輩にあたる方々の上に自分の名前が載っていたことになる。自意識過剰ではあるけどそんな形で注目されるのも嫌だし、やっぱり絶妙なタイミングで辞めたなあと思った。