ニートワークエンジニア

浪人、留年、休学、中退、ニート、エンジニア。回り道人生を謳歌中

勝手に進む人生

気付けば半年も書いてなかった。特段仕事が忙しかったわけではないし、生活環境が変わったわけでもない。それでもなんとなく気分が落ち着かず、気持ちを言葉にすることができずにいた。理由ははっきりしていて、端的に言うと僕は年甲斐もなく恋愛とかいうやつに振り回されていた。

顔や性格や収入はともかく、僕には自分の過去に対する引け目もあって、これから先、異性と深い関わりをもつイメージは全く抱いてなかった。最低限の人間生活はしつつ、ずっと独りで生きていくものだと納得しきっていた。それはそれで堕落しつつも安定した精神状態であったというのに、面白いことにその均衡を壊してくる人が現れた。

顔見知りではあったもののこれまで特に意識したことが無かったし、自分から話しかけることもまず無かったんだけれど、まあせっかくこんな自分に興味をもってくれたのだし、相手が満足して飽きるまで、とりあえず全力で自分というものをさらけ出してみようかと思った。会話は下手だし、良い店は知らないし変なタバコを粋がって吸うし、酒は弱いくせに無理して飲むし、まあ所詮こんな人間ですよ、と表現することが僕なりの誠意だった。

でもどうやらそれがまずかったらしく、あとはもう転がるように僕の方からのめり込んでいってしまった。とても恥ずかしいことを書くと、相手を知ったから好きになる、という単純な順接ではなくて、相手が自分をどう理解してくれたのか、そういうフィードバックを心地良く感じられた時、より相手を好きになってしまうことを今更ながらに知った。

そんなこんなで、今の僕は何故だか普通の人生を生きている。 恋や結婚なんて普通の人間だけがやるものだと思っていたし、この半年、色々な状況を過ごしてきて、やっぱり今でもそう思っている。

一年前の自分が思い描いていた未来と現状とのギャップがあまりにも大きく、今は偶然停まったタクシーに乗って、行き先も告げず揺られている感覚だ。面白いのは、少し視線を変えれば、自分で呼ばなくても未知のタクシーはいくらでもあることに気づいたことだ。

数カ月後、僕は人生のどこを進んでいるんだろう。