ソニーに限らず、こういうタイプのリモコンは、何年も使っているとボタンの効きが悪くなってくる。「電源」や「メニュー」のようによく押されるボタンは特にそうだろう。
完全に使えなくなるというわけではなく、たまに反応する、といった故障の原因は「接触不良」である可能性が高い。電子部品や回路自体が壊れることはめったに無いので、分解して綺麗に掃除するだけで直る場合も多い。
まずは分解しようと全体を確認したが、残念ながらネジが見当たらない。こういう分解しにくい構造は僕の嫌いな設計だ。「修理するぐらいなら新しいのを買え」と言われているような気がして嫌な気持ちになる。まあ、それに抗って「なんとか」修理してみるのがまた面白いのだが。
細いマイナスドライバーをプラスチックの外装パーツの隙間に差し込み、てこを使って少しずつ開いていく。どうせ半分壊れているようなものだし、多少プラスチックが欠けても構わないつもりで大胆にこじ開けたが、案外丈夫だった。
プラスチックの外装、メイン基板、ゴム製のボタンシートなどのいくつかの部品に分解できた。画像では見難いが、案の定、ゴムから漏れだした油のような液体やほこりでかなり汚れていた。
基板の表面をティッシュで拭いていく。特にボタンが接触する部分はゴムのオイルでヌルヌルになっていたので、丁寧に汚れを落とす。
古いゴムが油脂のようなものでだんだんと汚れていくのは経験的に知っているのだが、なぜそうなるのか理由はわからない。昔買ってもらったレゴのタイヤも油でドロドロになってた気がする。
ボタン部品が変形したりすり減ったりしている場合は、通電性のアルミシートなどでボタンをかさ上げしたりしてちょっとした調整が必要なのだが、今回は幸いボタン自体に問題は無さそうだったので洗浄するだけで済みそうだ。
風呂の残り湯で洗ってからきちんと乾かし、あとは分解する時と逆の手順でパーツを組み立てていく。
以上の簡単な修理で、効きが悪くなっていたボタンが全て直った。
おおきくなったら、まちのしゅうりやさんになりたい。