最近流行りのオープンデータとかいうヤツを触ってみようと思い、内閣府のサイトを調べていると、自殺に関する統計データを自由に閲覧できることがわかった。ただ数字の羅列を眺めてみてもよくわからんので、CSV形式のファイルをダウンロードして、動的にグラフを生成するWebサイトを作ってみた。
自殺に関する統計では「自殺死亡率」というデータがよく利用されており、これは10万人あたりの自殺者数を示す値らしい。
なぜ岩手県は自殺率No.1?
今回はとりあえず時系列データを読み取り、自殺率の推移がわかりやすいようにグラフを作ったが、あまり傾向的なものは見られずランダム性が高いようだ。
しかし都道府県毎に比較すると差が生まれる。
自殺死亡率の全国平均1.849に対して、ランキング1位の岩手県は2.517と差がある。更に最も自殺率の低い奈良県と比較すると、なんと約1.7倍の開きとなる。住んでいる地域によってここまで顕著に差が現れるのは恐ろしい。
でもこれは別に岩手県に暮らしているから死にたくなるとかではなく、おそらく住人の年齢層がかなり影響していると思う。自殺率が高い年代は60歳前後である。また、自殺の理由として最も多いのが「健康面の不安」であることからしても、高齢化が進んでいる地域程自殺率が高くなるのは自然なことと言える。
僕の中で明るいイメージのある沖縄は自殺が少ない、と思いきやそうでもなかったり、4人に1人が生活保護と言われる僕の地元大阪は、実は自殺率が低かったりと、発見というほどでは無いがちょっとした意外性を感じることができた。
誰か死に関するデータが誰かを救う
よく日本海側は日照時間が短く、根暗な人が多いから自殺も多いとか言われたりするが、オープンデータを活用することでそういった傾向を正しく客観的に評価できそうだ。
最近どこかの医学部で、土地の傾斜が大きいと人との交流機会が減るので自殺率が高いという調査結果を発表していた気がするが、データを利用してただ特徴を分析するだけでなく、自殺予防や対策に繋がってほしいと思う。
今回は自殺死亡率のみをグラフ化したが、利用できる自殺統計としては年齢や性別、職業、自殺方法など、ありとあらゆるデータが公開されており、先ほど僕が適当に予想したようなことをデータで裏付けることも出来る。また機会があればこれらのデータを使って色々と考えてみたい。