ニートワークエンジニア

浪人、留年、休学、中退、ニート、エンジニア。回り道人生を謳歌中

深夜に散歩しながらホームレスの数を数えてきた

先週、都内の某公園を歩き回って、屋外で一夜を過ごすホームレスの人数やその様子を調査するイベントに行ってきた。 深夜1時頃に集合し、軽く自己紹介などをしてから3〜4人からなるグループに分かれてそれぞれ調査を開始した。

ある程度の寒さは覚悟していたが、広い公園だからか横風が強かったように思う。池も凍っていたし、こんな寒い日の夜中にゾロゾロと連れ立って徘徊する自分たちの姿はなかなか怪しかっただろう。

そしてその日、こんな環境の中に寝床を作って眠るホームレスを僕らは15人見かけた。

建物の壁にそって数人程度集まって寝床を作っている人が多かった。おそらく吹き付ける風の量によって体感温度が大きく変わってくるので、「基本は壁沿い」というのが寒空の下で眠りにつくための最善策なのだろう。

また複数人で群がるのは身の安全のためだと想像できる。ホームレス狩りなど、事件として報道されるのは年に1回ぐらいだが、表に出ないいたずらや嫌がらせは多分その何十倍もあるんだろう。彼らにとって、一般の人間が一番怖いという話はよく聞く。

いわゆるダンボールハウスのようなしっかりとした「家」は1例見かけただけで、他は全て傘や数枚のダンボールで軽く囲いを作り、その中で毛布や寝袋にくるまって眠っていた。 最近の東京はオリンピックまでに街を「浄化」したいのか、ホームレスに対する締め出しが厳しいらしい。「家」が撤去されるリスクを考えると身軽な方が良いという合理的判断なのかもしれない。

明らかに彼らの荷物と思われる、ブルーシートで覆われた収納ケースや台車も見かけた。それらはメイン道路ではないが比較的人通りの多い歩道に置かれていて、おそらく「倉庫」として利用しているのだと思う。公園の茂みなどに隠してしまうと逆に盗まれやすいという経験則が働いていそうだ。

そんなこんなで3時過ぎまで歩いたが、言葉は悪いけどある種の宝探しゲームのような感覚があって、体感としてはあっという間の2時間だった。 その後はファミレスで集計や振り返りをして、4時過ぎには全ての作業が終わった。

その日は都内の何箇所かで同じ取り組みを同時開催していたのだが、合計で100人近くが参加していたそうだ。 僕はたまたまネットで見かけて応募してみたのだけれど、そういう人は珍しいらしい。僕のグループの人たちも、過去に参加経験があったり、運営と直接繋がりのあるような人だった。

一応ボランティアという名目だけれど、僕としては完全に興味本位での参加だったのであくまで「イベント」だと思っている。というかそのくらいの感覚の方が敷居が下がるし、結果的にこういう社会問題に関心をもつ人を増やせるんじゃないだろうか。調査自体も目的の一つではあるけれど、僕のように普段はホームレスとは何の関係もない(と思っている)人を巻き込んでいくことに大きな意味がある。

ただし、敷居を下げすぎるとそれはそれで問題になりそうなのが難しいところだ。ボランティアってなんか恥ずかしいからもっと軽い気持ちで参加できるようにしたいけれど、だからと言って遊びに来られては困る。そういう活動を示すちょうど良い言葉が日本語に無いのもまた問題か ...

2月3月は僕の自宅近くで開催されるようなので、都合が合えばまた参加してみようかと思う。

一応、詳しい調査結果と運営団体のサイトをのせておこう。 http://archcd.wixsite.com/arch